外科と内科の分類基準は、メスを使うか使わないかで分けられている。メスを使うのが外科で、使わないのが内科である。整形外科はもちろんメスを使うので、外科の診療科目のひとつである。ちなみにメスを使わない代わりに薬物療法のみで治療するのが内科ということになる。
整形外科とは、骨格や筋肉をはじめとする姿勢に関わる身体全般と、運動することに関わるすべての器官の外傷や疾患を治療する診療科目だ。意外と守備範囲の広い診療科目といえる。整形外科が対象とする部位は、脊髄や脊椎から手の指までの上肢や、股から足の指までの下肢と広範囲である。
整形外科には、乳児や幼児から成人や高齢者まで、老若男女が診療や治療対象になるという、他の診療科目とは違った特徴がある。業務内容としては、単なる骨折や捻挫から、重篤な腰椎間板ヘルニアなどの症状の完治や改善を行うことや、失われた運動機能の回復などがある。
様々な治療法がある整形外科を担当する看護師は、それなりの知識と技術と経験が求められる。主な業務として、医師の診察補助や患者の経過観察、レントゲン検査の準備やその補助、採血、注射、点滴などの基本医療処置に加えて、ギブスや包帯の交換業務がある。
整形外科の看護師の忘れてはならない業務に、身体的に不自由な患者の精神的ケアがある。手術前は医師から患者本人と家族に丁寧な説明がなされるが、術後のケアや看護方針についての説明は、看護師が担当するケースが一般的だ。
整形外科の専門性を高めたい看護師に人気があるのが「スポーツ外科」。スポーツによる患者がいなくなることはまずないため、常にスタッフ需要の高い診療科目である。スポーツによる外傷の看護知識を身につけると看護師の転職において有利になるため、整形外科に興味がある方はぜひスポーツ外科を検討してみてはどうだろうか。全国でもスポーツが盛んな静岡県は、スポーツナースを積極的に採用しようとしている。このように地域ごとに病院の特徴があるため、それぞれどんな病院が多いか、どの診療科の需要が高いかをチェックしておく必要があるだろう。
最近のコメント